Plasma VEGF-D and PlGF levels according to prior use of biologics among metastatic colorectal cancer (mCRC): Preliminary results from GI-SCREEN CRC-Ukit study.
First Author : Taniguchi, et al.
背景
切除不能進行再発大腸癌において、血管新生因子を標的とした治療は生存期間の改善を示した。最近、血管内皮増殖因子(VEGF)-Dが血管内皮増殖因子受容体受容体(VEGFR)-2に対する抗体薬であるラムシルマブの抗腫瘍効果の予測因子(バイオマーカー)である可能性が報告された1)。ただし、VEGFやVEGFRなど血管新生に関与する因子と血管新生因子阻害薬の治療効果との関連性、治療ライン間での血管新生因子の動的な変化についての報告は少ない。さらにinterferon(INF)-γやTGFβ1などの免疫関連因子が血管新生因子の調整に関与する可能性も報告されている2)。
今回、切除不能進行再発大腸癌に対する治療の効果と血漿中の血管新生に関連する因子との関連性について解析した。
対象と方法
本試験の対象は、20歳以上の切除不能進行再発大腸癌と診断され、下記の①もしくは②に該当し、登録後1)から5)の治療を受ける予定の患者である(図1)。また、RAS遺伝子変異検査を実施していることが適格規準である。
【対象患者の化学療法歴】
① 化学療法が施行されていない患者
② 一次治療にて抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体もしくはベバシズマブのどちらかが施行された後の患者